新まにあリュージョン!

霊感なしのスピリチュアルオタク

高森殿の杉を見て想う 無用の用と浮く宝

高森殿の杉を見に行ったのは、もうかなり有名になってからでした。

テレビ番組の「ナニコレ珍百景」だったかで話題になったらしいのですね。私の住んでいるところからは、阿蘇山の反対側にぐるっと回るだけで行ける場所です。まさか、こんな近くにこんな巨木があったとは。

 

牛の放牧地の中にあるから、鉄の扉をちゃんと閉めるのがマナーだと聞いていましたが、ちゃんと人だけ通れる入口専用通路ができていました。

f:id:mrtoma86:20151212222205p:plain

ここからは、歩きです。

道は整備されてますが、結構な坂道です。

しばらく登った後で、ここからは左手の林に入るかと思うと、もうそれが高森殿の杉なんです。

f:id:mrtoma86:20151212222818p:plain

もう、木が大きすぎて全部をフレームに収めるなんてとても無理。

観光客が多くなって根元の保護の為でしょうが、最近設置されたような人止め柵がありました。

根元の石板は、ここで自害したという高森城主を祀っているようです。

 

f:id:mrtoma86:20151212223113p:plain

正確には2本の木なのですが、根元の太いこと。

近くにいらしたカメラマンの方と対比したら・・・

f:id:mrtoma86:20151212223819p:plain

大きさがわかりますね。

上を見ると・・・

f:id:mrtoma86:20151212223937p:plain

これがほとんど、2本からなる高森殿の杉の枝ですよ。

普通、ここまでの巨木は内側は枯れて空洞になり始めていたりするものですが、とにかくすごい生命力です。外側に張り出した低い枝は、自重で垂れ下がり、途中から地面について、その接地面から根が生えたようにまた上に伸びていくのです。

 

この木が枯れないのは、軸となる大きな一本の幹がないからかも知れないなと思いました。まさに老荘思想の、「無用の用」でしょう。

 

真っ直ぐな木は、木材として役に立つため直ぐに切られてしまう。
 (曲がった木であれば、その寿命を全うすることが出来る)

 

ここは、山の斜面の中でもほんの少しくぼ地になっています。水や養分、また牛の放牧が行われてからはなおさら牛フンの栄養分などが流れ込むのでしょうね。

杉というのは放っておいてもまっすぐ上に育つものだと思っていましたが、ライバルがいないとこんなにも、もののけ姫的な生え方にもなる可能性を秘めているのですね。

 

これも最近になって知ったのですが、杉って、日本の固有の木なのですってね。

スギ属スギ科の唯一の木。レバノン杉とか聞いたことがありますが、あれは正確には松なのだとか。

 

古事記に出てくるスサノオは、日本には「浮く宝」があると言ったそうですが、まさに杉はその代表格でしょう。そして、神の御柱と言われるような神社の真っすぐな一本杉は、古代から競争してまっすぐ上に伸びるように規則正しく植林されたり、横に伸びる枝を若いうちにしっかり枝打ちしたりして育てたのでしょうね。

 

高森殿の杉を見ていると、自由で無限の生命力に感動する一方で、神社の杉がいかに人によって大切に育てられた芸術品なのかもわかります。

自然が一番だから、人は自然に一切関与しない方がいいという人もいますが、森を作ったり、自然を守ったりするのに人間もお手伝いできることがたくさんあるのですね。

生まれたばかりの森は、下草を刈ってやらないと大きな木が育たないと言いますし、阿蘇の草原も人々の手によって守られているのですね。

 

若い頃、C・W・二コルさんに憧れていました。お会いしたことはありませんが、私の生まれ故郷の隣村で森を買って、その土地で森の手入れをしながら生活していると聞きました。「黒姫の赤鬼」という異名があったという二コルさんが、なんだかスサノオとキャラクターが重なってしまいました。